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未来少年コナンのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

未来少年コナン(1979年製作の映画)
4.0
西歴二〇〇八年七月、人類は超磁器兵器の戦争を起こし、地球は大変動に襲われ、五大陸はことごとく沈んでしまった。そして二十年後、大変動をまぬがれたいくつかの島の一つに、コナンという少年と老人が住んでいた。ある日、コナンは主食であるハナロジを追いかけていると、ラナという少女を見つけた。彼女はハイハーバーという島の人間で、おじいさんのラオ博士をさがしていた。数日後、人類征服の野望をもつインダストリアの行政局長レプカの服心モンスリーが来て、ラナを連れ去ってしまう。太陽エネルギーの権威ラオ博士を従わせるため、ラナを人質にしようというのだ。一方、老人は、モンスリーとの戦いで傷つき、コナンの看病もむなしく、「仲間と共に生きろ」と遺言を残して息絶える。コナンはハイーハーバーで生涯の友となるジムシーに会った。二人は、ラナを助けるべく近くに停泊していたインダストリアのバラクーダ号に乗り込んだ。インダストリアの心臓部である三角塔の幽閉室に入れられたラナは、モンスリーからコナンが来ていることを知る。コナンはラナを助けようと三角塔に登るが、レプカに捕まってしまう。一方、レプカに反発するパラクーダ号のダイス船長は、ラナを手に入れインダストリアを後にする。レプカはバラクーダ号の追跡を命じた。コナンは拘束具で手足の自由の無いまま牢番をノックアウトしてダイス追跡を準備している飛行艇にもぐり込む。バラクーダ号と飛行艇の戦いのドサクサでジムシーに助けられたコナンとラナは海岸に辿りつき、コナンは、島の洞窟にあったフライングマシーンで三角塔に向かうが敵の攻撃で墜落してしまう。追われたダイスは、ラナ、ジムシーと共に、コナンの墜落した場所に向かうが、レプカの部下に見つかり、地下街に逃げこむ。ラナに逃げられたレプカは、地下に水を流し、もしラナが出てこなければ、地下の住民を水ぜめにすると脅迫した。ラナは皆んなの生命の保証をレプカに約束させると、地上にあがった。しかし、これはレプカの罠で、ラナが地上に出ると、地下とのシャッターを閉じてしまった。そんなレプカにモンスリーは反対するが逆に反逆者として銃殺の刑を言い渡される。何んとか命だけは助かったコナンは、トンネルを抜けてダイス、ジムシーと再会、ラナ救出に向かう。ラナを通じて、博士から太陽エネルギーの利用法を聞き出そうとするが果せず、怒り狂ったレプカは、ラナを塔の宙空に立たせ脅迫する。恐怖のあまり、失神するラナ。やっと地上にはい出したコナン達は、銃殺寸前のモンスリーを助け、彼女の案内で、いまにも落ちそうなラナを見つける。コナンは猛然と走り出した。三角塔を占拠したダイス達はシャッターを開け、住民達を助けだした。せっぱつまったレプカはラナを連れてフライングマシーンに飛び乗るが、コナンの投げた鉄のヤリに、マシーンは墜落、コナンは落下中の機からラナを救い出した。平和がおとずれた。三角塔にエネルギーが注入され、太陽塔に変貌するのだった。
宮崎駿が初監督したテレビアニメ「未来少年コナン」を、劇場用に再編集したアニメ映画。
監督が宮崎駿ではないので、進歩し過ぎた文明に頼る人間社会に対する批判や人間社会に必要なものに対するメッセージ性が薄いものの、手堅くテレビアニメ版のコナンやジムシーやダイスの活躍、コナンとラナの強い絆はまとめられているので、テレビアニメ版のファンを平均的に満足させる内容にはなっているが、レプカの部下モンスリーの心情の変化のきっかけとなったハイハーバーでの暮らすシーンがカットしているために、モンスリーがレプカに「インダストリアルはくだらない鉄とプラスチックの檻です。局長、武器を捨てましょう」と降伏を薦めるシーンが唐突に見えるという欠点もある。
テレビアニメ版を見ているのが前提なら、楽しめるアニメ映画。
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