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霧の中の風景のRIOのレビュー・感想・評価

霧の中の風景(1988年製作の映画)
5.0
霧の向こう側はどこまで続いているの

アテネ駅の1番ホーム 
ドイツ行きの列車が発車する

木の葉のようにくるくると
旅をしています…と
5歳のアレクサンドロスが
まだ見ぬ父親に話しかける

大きな石の指先が二人に行き先を指し示している
それを知る前に明らかに大きな権力
欲望によって
持ち去られてしまった

まだ幼い12歳の姉ヴーラと弟のアレクサンドロスに
容赦なく襲いかかる不条理 
都合によって捨てられる命

二人で約束した決意は固い 
支えあってる

細かいシーンがいくつも心に深く刺さってくる
ネタバレしてしまうので言えませんが

ヴーラとアレクサンドロスが生きている世界は
全く違う世界 
切り取られたネガの中に
見ようと思えば見えるはず

一途な生き方しかできない二人に泣けてくる

旅券を持たない彼らの旅は
霧の中の大きな木の前にたどり着く

その木が意味するもの
二人と共感できるほどの清らかさが
心の中にあるのか
いつも問いかけられているようです
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