霧の向こう側はどこまで続いているの
アテネ駅の1番ホーム
ドイツ行きの列車が発車する
木の葉のようにくるくると
旅をしています…と
5歳のアレクサンドロスが
まだ見ぬ父親に話しかける
大きな石の指先が二人に行き先を指し示している
それを知る前に明らかに大きな権力
欲望によって
持ち去られてしまった
まだ幼い12歳の姉ヴーラと弟のアレクサンドロスに
容赦なく襲いかかる不条理
都合によって捨てられる命
二人で約束した決意は固い
支えあってる
細かいシーンがいくつも心に深く刺さってくる
ネタバレしてしまうので言えませんが
ヴーラとアレクサンドロスが生きている世界は
全く違う世界
切り取られたネガの中に
見ようと思えば見えるはず
一途な生き方しかできない二人に泣けてくる
旅券を持たない彼らの旅は
霧の中の大きな木の前にたどり着く
その木が意味するもの
二人と共感できるほどの清らかさが
心の中にあるのか
いつも問いかけられているようです