花凛

霧の中の風景の花凛のネタバレレビュー・内容・結末

霧の中の風景(1988年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

テオ・アンゲロプロスの作風は好みではない。しかし、観ると衝撃を受けるしその価値はよくわかる。この作品もまさにそういう評価。暗い色調に彩られた映像はとても美しいと思う。好きになれないと思った点は、姉がトラックでロストバージンする描写。ああいう表現はまさに苦手だ。ラストシーンについては、姉弟は川を渡る途中銃で撃たれて死んだものと私は解釈している。霧の中に佇む木を見つけたのは死後の世界とでも言うべきか。あの木は探し求めていた父親を表しているのかもしれない。これらはあくまで個人の解釈だが。しかし、アンゲロプロスの描く非現実的で抽象的な表現を自分の中で咀嚼できているとはやはり言い難いと思う。
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