✔②『親』(3.7p) 及び　①『宮本武蔵』(3.3p) ③『辻占讀の少女』(2.8p) ④『母の微笑』(3.0p) ⑤『お父さんの歌時計』(3.3p)▶️▶️

　このプログラムは、、鈴木紀子の無声映画の形で残ってる彼女の脚本担当作品２本と、同時期に活躍を共にした女性脚本家３名の作を取り上げてる。うち、①と③は極端な部分だけで、①の染色版·千恵蔵武蔵の二刀流の見栄·殺陣·足捌きの迫力·速度は見事で、今見ても映える。③もまた日常の世界を扱ってても、カメラの移動やカット積み展開が今の映画以上に躍動感に充ちてるが、纏まりは悪く、何しろ、誘拐され辻占い売りを強いられる少女の話で、彼女や奪還実父の善良さは感じられるが、ほんの断片だ。
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　やはり以前観た時と変わらず②の初期清水の、後年の奇妙な端正さに至らない、カメラワーク·構図·目一杯善良さと懸命さの、100％映画してる、懐ろとうねりのそれでも真っ当映画をぶち破らぬ、潜在映画腕力が圧巻ではある。これと④は、簡易保険局のPR映画であるが、それも点景の一つでしかない。後年より映画的なのだ。カメラは自在に対象に沿い柔軟パンし、前後や横に力あって動き、歩き来る２人を退くフォローも後年に負けない意気て距離、縦の図や切返しの深みや力が柔軟に空間力を創り組立てられてく、大LとF位の芝居も自然の呼吸を介し切替に空気の差異がない、繰返し嫌がらせと言うよりじゃれ合いを利用するようなキャラら、父母の相談の襖隔てて蒲団で聴いてての嗚咽·激情漏れと皆で慰め合う流れはちとあからさまも悪くは言いたくない気にさせる、一つのキャラは頑固に善良で·企み持つ者もそれと接しコロッとそっち側にゆく、またCU顔周囲の丸いマスキングの無声手法も残り、内容を越えて映画全体に触れんとする腕力をしかし心地よく感じる。
　捨て子の女の赤児を、実子以上に愛おしく誇らしく接し育てた父母に、借金抱えた実の父が、強請り·脅しもと、と客を装いその店に来るが、一家の澄み切った善良さ·暖かさに人生のやり直しを秘かに誓い、2年後、死の床についた所に招き、実情と、2年正業で貯め作った簡易保険を、嫁入りの資金として贈る。だが、寧ろ親を一組とした侭でいたい娘の気持ちの方がドラマ上訴え、実父の気持ちにも通じた彼女の、実親の亡くなった学校の親友に、幸せ過ぎる自分を感じてたのが、変わり接する事が出来るように。
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　⑤⑥が今回の特集でも目玉の女性脚本家の手になるが、演出の捌きで異質の印象を受ける。母が死ぬまで作ってくれた簡易保険を、心寄せる令嬢の家の為の結婚が、財力ある相手からの僅かな瑕疵を突いての破談の窮地に、役立て救う快哉?の⑤と、貧しい窮地を娘らを想い働き続けた片親·父が、倒れ病床にあるを支え続ける娘の一方、報われたか、大事な物を手放し·死期来たを自覚迄来た父に光明がさす⑥とでは、カメラの動きや図は似てても、ショットやキャラが互いに深く挿し込み、の前者のケレンも外せぬ若き渡辺邦と、ベタベタ絡ませぬ、諦観がスッキリ切り分ける後者の吉村廉、と随分印象が異なる。

簡易保険局が簡易保険の普及宣伝用に松竹に委託した短編

簡易保険の宣伝映画。捨て子の女の子が蕎麦屋に育てられる。育ての親が現れたりするが、最後は簡易保険を娘に託す。