川口浩史なる日本人監督による、オール韓国人キャストの、何とも珍しい日韓合作映画。
1988年のソウル五輪を間近に控えた牛島(済州島の東側に位置する小島)を舞台に、祖父の葬式に駆けつけた、詩人になる夢を持つ在日韓国人の青年とその従兄、現在はソウルで働く小学校時代のマドンナの3人の男女の、三角関係の恋の行く末を韓国の有名な詩に乗せて描くという意欲溢れる作品。
相手に思いを伝えるために、それぞれが詩を作るとは、何とまあロマンチックな!当時の時代背景、そして貧困に喘ぐ村落ならでは・・という事かなあ。
3人の男女の関係性の描かれ方はとても繊細で好感が持てるんだけど、結末がベタな流れになってしまっているのは残念。
真冬の牛島の、寂寞としながらも、まるで瀬戸内海に浮かぶ島々のような情景は美しい。