Genichiro

コロッサル・ユースのGenichiroのレビュー・感想・評価

コロッサル・ユース(2006年製作の映画)
5.0
遂に見れた、これぞハードコア映画。映画のハードコア。高校生の時、この映画をいろんな人が言及しているのを見聞きして「うわーコロッサルユースってなんじゃろか」と思っていた、そこから10数年。カメラのマイクを殺して同時にDATで録ってた音声を使ってる??とかそういう話は映画の中身に関係してくるんかとか高校生のときに見てもわかんなかっただろうな、今見て分かるわけでもないが。
ワンカットが長いので細かいショートエピソードの連なりのようにも見える。それぞれが有機的に絡み合ってるようで、すぐにばらけてしまいそうな絶妙なバランス。
DATで録られた荒々しい音声、長回しによって距離感や時間感覚が歪められてなんだかわからなくなる。最後40分くらいはびっくりするくらいストンと時間が経過して終わる。
いわゆるperfect shot、素晴らしい構図の連発でシリアスかと思えば街の人々の喋りはドラッグ・貧困絡みで陰気ながらもユーモラスだったりして見てて退屈しない。
映画というメディアを構成する映像+音声を最大限効果的に使った映画のハードコア。寝ることもなく大変面白く見させていただきました。
ハードコアとは過剰さではなく今あるものだけで全てを見せようとする真摯さや跳躍のことなのか(監督はこの映画をハードコアとか形容してないと思うけど)
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