セッセエリボー

コロッサル・ユースのセッセエリボーのレビュー・感想・評価

コロッサル・ユース(2006年製作の映画)
4.7
1回目 2018.8.1 @早稲田松竹
驚くべき退屈さ。事前情報を一切入れずに見たせいでそもそも何がしたいのかわからないまま3時間終わってしまった。もったいないことした〜。

2回目 2021.4.17 @新文芸坐
前見たとき過去最深くらいの安眠を記録したのが嘘のように全く眠くならなかった。素晴らしすぎないか!『ヴァンダの部屋』と『ヴィタリナ』の橋を渡す、手法の円熟を達成した作品という印象。遠近感を狂わす大胆な構図を狭い画面の中で完璧にモノにしている。
ヴァンダは家族ができてだいぶしっかりした。むせ方は変わってないがエピソードトークは格段に面白くなっている。ドドットが気になってしょうがないヴェントゥーラはかわいい。あと1人分の戸口を2人横並びで通ろうとしてつっかえるとか「え、ギャグなの?」みたいなのが時々スッと挟まってて気になった。
カーボ・ヴェルデという場所について、コスタも一貫して植民地主義をテーマに映画を作ってるんだなと思った。『溶岩の家』では複雑とはいえまだ図式的にそれを扱ってたけど、今回のはもっと具体的な人間の痛みに寄り添って作られていて、そういう意味でもすごい達成をしてると思う。