シグのすけ

スケアクロウのシグのすけのネタバレレビュー・内容・結末

スケアクロウ(1973年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

世界一でくのぼうだけれど
誰からも忘れられた男だけど
家族からも忘れられた男だけれど
不器用にもほどがある

大事に抱えた娘への贈り物の箱
これを持って家に帰ろう
ただ少しづつ白い箱が汚れていく
形が崩れていく

相棒の為におどけ
人の傷をしょいこむ
へらへら笑いながら傷を負う
少しづつ確実に

電話ボックスで
噴水で
彼は崩壊する。

がさつな彼の相棒の心の鎧が解けていく
厚着だった男が薄着になる
傷ついたでくのぼうを守っていこうと決める
ありったけの小銭を集めて。

奴は潜水服を着ておどけていた
がさつな相棒の為だけに
場末の酒場で
傷だらけの思いを隠して

世界一でくのぼうのだけれど。
シグのすけ

シグのすけ