豚肉丸

駅馬車の豚肉丸のレビュー・感想・評価

駅馬車(1939年製作の映画)
4.7
駅馬車がアパッチ族に襲撃されるお話

初ジョン・フォード。
古典中の古典という印象であまり見る気になれなかったが、いざ見てみたら純粋なエンタメ映画で驚いた。『マッド・マックス 怒りのデスロード』などの現代のアクション映画の原型的な物語構成とキャラクター造形は、シンプルだからこそ間違い無く今見ても色褪せない魅力を放っていて素晴らしい!

駅馬車が出発するまでのテンポ感が良い。最低限のキャラクター説明と「アパッチ族が襲ってくるぞ!」という背景説明を済ませたらすぐに出発するあのテンポ感!
アクションシーンは終盤に詰まっているため中盤までは室内での会話劇が続くのだがそれが普通に面白い。いつアパッチ族が襲ってくるかわからない不安が漂いながら、個性が強い登場人物達の思惑や事情が絡み合い、様々なドラマが発生する。この時代だから家父長制の側面が前面に出されているが、赤ちゃんの出産を通じた女性同士の連帯が描かれていたのが印象的。
そして終盤のアパッチ族の襲撃に移るのだが...ヤバすぎて圧倒‼️中盤までのドラマがあるからこそ終盤のスペクタクルに迫力と共に興奮が高まるような作りとなっており、あと何よりも絶対人が死んでそうなスタントの数々がヤバすぎて凄い‼️‼️
アパッチ族が現れる時と乾杯の時のパン移動のカメラワークもまた素晴らしく、これまでアパッチ族の襲撃が映像に登場しなかったからこそより一層衝撃的なカメラワークとして機能していて最高。

先住民族の描写や家父長制が強調された物語はこの時代の世間の風潮がよく表われているものの、それにしても物語構成、キャラクターの見せ方、カメラワークの演出など様々な面で現代の映画に通ずる原型を感じられて面白かった!
豚肉丸

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