Ananas

その男、凶暴につきのAnanasのレビュー・感想・評価

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)
4.0
この映画の登場人物が劇中でしていることは全て倫理としておかしい事ばかりである。しかしながら、日常の中で見慣れないであろうモラルに反した行動がどのような未来につながるのかを知りたがった私は、じわじわと映画の中に引きずり込まれていった。人間は自分に被害が及ばないと思われる距離の元でトラブルを傍観したくなるものなのでしょうか?非倫理的な行為を傍観し続ける事は、肉体的には私たちに被害を及ぼさなくても、だんだんと精神を荒廃させうるんじゃないかと私は思った。

今作が公開された1989年には、元号が昭和から平成に変わりました。「平和な時代に成る」という願いが込められた元号発表から数カ月後に、暴力満載のデビュー作である本作を通して映画界に殴り込みを仕掛けた北野武は本当に並外れた方です。
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