りょうすけ

おくりびとのりょうすけのレビュー・感想・評価

おくりびと(2008年製作の映画)
3.5
「おくりびと」

第81回アカデミー賞国際長編映画賞受賞作品。故人に着替えや化粧などを施し、納棺の作業をする納棺師を題材にした作品。先々週、祖父が亡くなり、「納棺の儀」というのを取り行ったが、その際は葬儀屋の方がやってくださったので、納棺師は独立よりも葬儀屋のスタッフとして雇われていることの方が多いのかもしれない。

葬儀までの時間を最適な状態かつ生前の故人の想い出を失うことがない様に処置を施す仕事だが、世間からの印象はあまり良いものではない。私は医療系なのでそんなイメージを持ったことはなかったが、この様な職種はあまり誇れるものではないというのが実情なのだろう。

「人間の死」を題材にした作品なので厳粛な物語なのかと思いきや、案外コメディタッチだったところは良かったのだが、ちょっと長かった。作中でのイベントが盛り沢山なので、「もう終わるか?」と思うところが2、3箇所あった。もうちょっと簡潔でも良かったのではないか。

2008年の邦画ってこんな画質だっけと思わされるフィルムの様な質感を残した映像は、葬儀の厳かさを表現している様な雰囲気があって良かった。エンタメに全振りしていないこともあり、80、90年代の邦画っぽかった。
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