大晦日のLAを舞台にしたビフォアサンライズと聞いて駆けつけたけど、これは確かに阿呆と鬱のためのビフォアサンライズ。ロマンス映画のラストはやはりこうでなきゃダメなのです。うずうずと待っていた最後の掛け合いは100点満点。とは言え作品がそもそも超低予算なのでダイアログに締まりがないし、間の取り方が特にザル仕事だし、肝心の俳優の演技も雑だけど、2人組をビフォアサンライズのフォーマットに収めて白黒にしときゃ4.0は間違いない。伏線の張り方はテキストブックライティングだけどそれなりに上手くて唸った。本当に低予算なのに、夜になると突然プロダクションバリュー急上昇したように見えるから夜の街の画力(えぢから)はすごい。レストランで電話ごっこ始まるかと思ったら外でガチな電話が始まって肩透かしを食う。大根役者大集合の中で、助演男優賞は電話越しの放火犯が持っていった。結果、てんとう虫の下りが一番良かった。

• #実質ビフォアサンライズ

ネット上で知り合ったそれぞれ悩みを抱えた若い男女が大晦日から元日にかけて一緒に過ごす話。
よくある新年もの映画のような派手さは全くなくて何が起こるわけでもないけど逆にそれが心地よくて毎年年が明けたらこれを観るのが恒例なくらい好きな映画。
ヒロインの趣味が道端に落ちている落し物を写真に撮ってブログにあげることだったのが面白そうで私もやろうかな。笑

最高すぎる。出会い系を通じて出会った男女のワンナイトラブをハッピーニューイヤーを舞台にやってるのける離ワザにくらっときた。

『ビフォア〜』シリーズに近いけど、あちらのポエム要素をひたすら偏差値の低い会話に置き換えた感じ。このレベルの低い会話がリズミカルで非常に心地がよい。割り切りな関係だからこそ軽さに説得力がある。女と出会ってすぐに同居人の友人に大量に持たされたコンドームを目の前でばら撒いてしまう光景には笑う。

残念だったのはモノクロ映像。デジタル撮りの安い画面をうまく隠すことに成功してるけど、夜→朝にかけての光度の変化が捉えられておらず夜明けの高揚感が薄い。あと場を持続させないのも残念。あのレストランよかったのにもっと映してほしかった。

文句はあるけどずっと観たかったやつなので思い入れ補正で満点。多謝。