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ブロンド少女は過激に美しくのsonozyのレビュー・感想・評価

4.0
2009年。ポルトガルの文豪エッサ・デ・ケイロスの『ブロンド少女の特異さ』をマノエル・デ・オリヴェイラ(当時100歳!)が映画化。64分と短めです。

叔父が経営する高級洋品店の2階で会計士として働くマカリオ(リカルド・トレパ)が、向かいのビルの窓辺に姿を現した"過激に美しい"ブロンドヘアの少女ルイザ(カタリナ・ヴァレンシュタイン)に一目惚れしてからのあれこれのお話。

冒頭、特急列車内で、車掌が切符を拝見していく長回しから監督が焦らしを楽しんでいる感じ。笑
座席に座るマカリオが、隣り合わせた婦人に、ルイザとのあれこれを話すという設定なんですが、この二人を捉えるカメラアングルも絶妙に可笑しいんです。

このマカリオ役のリカルド・トレパは、先日見た『アンジェリカの微笑み』でもいい味出してましたが、今作でもにじみ出る可笑しみがいい。

ルイザ(カタリナ・ヴァレンシュタイン)は、風で揺れるカーテン越しに、龍が描かれた羽毛付き扇子を手にミステリアスな視線の妖美さで、まさに"過激に美しい"少女を演じてます。
彼女はゴールデングローブ(ポルトガル)主演女優賞受賞。

ルイザに恋しちゃったマカリオは、知人のつてなどで無事、接触でき、結婚まで行けそうなんですが、叔父は何故か独身を強要し、反発したマカリオは店を辞め、知人の紹介で、遠方まで金を稼ぎに行ったりと、すったもんだありつつ、叔父も突然、結婚を認め、仕事も復帰させてもらえる事になり、ハッピーモードになったマカリオですが....

英題: Eccentricities of a Blonde-Haired Girl(ブロンド少女の特異さ)が原因のオチのあっさり終わるのも好き。笑
こんなタイトルとビジュアルですが、コメディですね、これは。笑
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