終始靄がかかったようなどんよりと重苦しい作品だった。
何処にも救いは見い出せないのではないかとさえ思える怒りの連鎖。
アフリカ難民キャンプでの場面はまさに究極の赦しとの葛藤。ただ「命」の尊さでは平等な筈なのに、箍が外れる気持ちも理解出来てしまう自分自身。
赦しか復讐か?!
怒りの沸点が低くなっているのは映画の中だけの話ではなく、何処か現実と重ね合わせてしまったのはきっと私だけじゃないはず。
本作品で描かれた両親を含め大人が子供達に伝え残すべき事はいったい何なのか?
怒りが復讐でしか収められない世界からは決して争いは無くならない。怒りを超え赦す事が出来た先にこそ未来があるのだと改めて深く感じる作品だった。
そして以前観たマンデラ大統領を描いた作品“インビクタス”がふと頭をよぎる作品でもあった。