どちべそ

震える舌のどちべそのレビュー・感想・評価

震える舌(1980年製作の映画)
4.0
とにかくめちゃくちゃ怖かった…
中盤までずっと暗い画面にひたすら響く幼女の悲鳴。時代を感じる治療法や器具が治療のはずなのにまるで小さな女の子を痛めつけているようにさえ見えて来る。

巧みな演出のせいなのか病魔に挑む家族を描いたヒューマンドラマというか、日本映画史上に残る怪作になってる。
怖い怖いと聞いてたけどほんとに怖い。
鬼畜と八つ墓村監督した人になんでヒューマンドラマをやらせたんだよぉ…

とくに3日目の痙攣のシーンは口の周りを真っ赤にしたりしててショッキングなシーンがひたすら続く。
たまに出てくる蟹江敬三にホッとする。
病魔に追い詰められる幼女だけでなくその家族も精神的に追い詰められる生々しさ。奇跡が起こるなんて全く信じられないような物凄いリアリティ。優しいクラシックの旋律が要所で繰り返し流れるせいでしばらくあの曲がトラウマになりそう。

追い詰められていく母の鬼気迫る演技と破傷風の娘に噛まれ自分も感染すると内心怯える父の演技も凄かったのですが、何よりまーちゃんの演技がすごすぎる。
映画が好きだと言うなら絶対一回は見ておきたい。


最近の日本映画のキラキラしたあからさまな感動作よりはよほどこっちの方が感動する。父親がジュース買ってくるシーンとかチョコパンとか泣きそうになった

現場からは以上です











【メモ】時代を感じたあれこれ
子供の枕の下にタオルケット敷いて寝かせているシーン(自分も子供の頃こうやって寝てたw)
医師の喫煙シーンや待合室の吸殻入れなどの喫煙シーン
見事に看護師しかいないナースステーションとナースキャップ
とりあえず具合が悪ければ目を塗っとけというメーキャップ
今の時代にきてる人間(自分の個人的な感覚)の感覚だと破傷風の人に噛まれて自分も感染すると思い込むことはあまりないなって思った
医師の態度(最近の医療ドラマだと随分ソフトに描写されてる。イメージがだいぶ変わったのかな)

言葉遣い
女性(〜ですわ等、ようございました)
老医師(お父さんね、よっぽど頑張ってもらわないと。小学校の頃内科検診でよくきてたおじいちゃん先生を思い出した)

カチカチダイヤル回すテレビ
どちべそ

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