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アウシュヴィッツから生還したイタリアのユダヤ人で化学者でもあり作家のプリーモ・レーヴィによる記録文学『休戦』を映画化したもの。
アウシュヴィッツの悲惨な映像はなく、人間の優しさに触れながらも解放からヨーロッパ(ポーランド→ロシア→ルーマニア→ハンガリー→オーストリア→ドイツ)を8ヶ月間彷徨ってイタリアのトリノの自宅に辿り着くまでを描いている。
1945年1月26日、第二次世界大戦終戦末期、連合軍に敗れたドイツ軍はアウシュヴィッツを放棄して退散した。
収容されていた人々は突然自由の身となるが、喜びより先に途方に暮れる。
国も言葉も様々でそれぞれ故郷に戻りたいが、先ず自分が何処にいるのか?どちらの方向へ進めば良いのか?誰も知らない状況の中、食物もなく不安しかなかった。
連合軍に命じられるままトラックに乗るが、そこで逞しいギリシャ人と出会い、傲慢な男ながらも生きる力を見せつけられる。
ソ連軍のキャンプ地で過ごしたり、機関車を乗り継ぎながら、かなりの遠回りな経路を辿ることになる。
アウシュヴィッツの縞模様の収容着は皆が脱ぎ捨て燃やしたのに、プリーモだけは記録に残すため与えれた洋服の下に着たままだったから、ドイツ領に入る時の緊迫感は最高潮。
プリーモ役のジョン・タトゥーロは、本人(映画化の企画を知った1週間後に死亡、自殺の可能性あり)の雰囲気に似せているのだろうが、物静かでおとなしく繊細、少ない台詞で表情は飄々としながらも、諍いを嫌い人との出会いを大切に、運命をひたすら生き抜いた感じを上手く表現していた。
アウシュヴィッツ関連としては珍しい形の実話を知ることができた。