papanda

太陽の王子 ホルスの大冒険のpapandaのレビュー・感想・評価

4.0
ヒルダの苦渋の表情、それに尽きる。魔王に家族も村も滅ぼされ一人生き残った罪悪感と苦しみ、それでも生きていたいという願い、その心の戦いを魔王グリュンワルドに言葉巧みに操られ、気持ちとは裏腹に善良な人々を破滅へと向かわせる苦しみ。朝ドラ「なつぞら」でも描かれていたが、ヒルダの表情がこの映画の芯だと思う。
みんなで力を合わせて世の中を良くしていく「あるべき姿」に対して、俺様ファーストのはびこる「今ある姿」。今ある姿を「しょうがない」で済ませず、お互いの思いを説明して説得して心を開いて接点を見つけて、少しずつあるべき姿に近づけていくしかないのかな。やっぱり高畑勲監督の作品だな。
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