鈴木パンナコッタ

ドラゴン怒りの鉄拳の鈴木パンナコッタのレビュー・感想・評価

ドラゴン怒りの鉄拳(1972年製作の映画)
3.9
邪悪な日本人の横暴に、鋼の拳が唸りを上げる!滅びの美学を貫く傑作よ。
師匠の墓前で恋人と背中合わせに愛を語らう場面が素晴らしくて、破滅に向かう中でほんのひと時だけ幸せな未来を見て、わずかに微笑む姿が切ない。
ラストは何度見ても泣ける。抗えない大状況に精一杯の抵抗をして、意地を通して死んでいくという。
それにしても悪辣たる日本人の憎々しさは本当に見事で(笑)、これほどの敵役はそういないよ。悪役ぶりが徹底しているからこそ、理不尽への怒りと、自らの行いが跳ね返ってすべてを失っていく流れが心に迫る。
個人的にはブルース・リー映画の中で一番おもしろいと思う。