イギリスで黒シャツ隊が結成されていく流れがとても分かりやすかった。
7歳の男の子の視線で描かれているため、理想と現実のギャップがとても大きく見えて、大人としてやるせない感覚に陥りました。
『がんばれリアム』というタイトルではありますが、小さなリアムに何を頑張れというのでしょうか?
『負けないで、リアム』そんな気持ちになりました。
↓簡単なあらすじです
7歳の男の子リアムは初めての聖体拝領を間近に控え、学校でカトリックの教えを学んでいました。
(聖体拝領とは、カトリック教のことをきちんと理解できるようになったら、正式に自分の意志でカトリック教徒になる儀式の事だそうです。)
だけど、「罪を犯すとかまどに投げ入れられ永遠に焼かれますよ」という言葉が怖くて仕方ない。
そんなピュアなリアムの目線で見える1930年代のリヴァプールの庶民生活はとても厳しいものでした。
リアムの父親は失業し、兄と姉の給料で何とか生活していましたが、母親は貧乏疲れで怒鳴ってばかりです。
アイルランド人に仕事を取られ、ユダヤ人はどんどん裕福になっていく、そんな環境に我慢ならない父親は、棚の下にしまってあった黒シャツを取り出し袖を通すのでした。