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アキラ AKIRAのkayupanのレビュー・感想・評価

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
5.0
ディストピア、科学、孤児、資本格差、革命、宗教、政府と軍、超能力、グロテスクが、荘厳なオルガン、80年代テクノ、民俗的なパーカッションと混ざり合い、終始暴走と爆発として描写される。
随所に見られる宇宙の起源のオマージュ、人智が神に触れるテーマをカオティックに表現する映像は、エヴァやジブリをはじめとした日本のアニメ、数々のゲームの元ネタになっているような衝動性がある。スターチャイルド的な子ども達で閉ざされた世界が、大人の作り上げた理性的象徴である社会を破壊し尽くす様は、急速にポストモダン化し子どものような大人が個人に分解される当時の日本社会を映す鏡としての意味もあったと言える。
最後のセリフ、"でもいつかは私たちにも""もう始まっているからね"は、人類を含む全ての物事に、宇宙の力がひと繋ぎにされていることを示唆しているのではないか。
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