さみわん

アキラ AKIRAのさみわんのレビュー・感想・評価

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
4.5
「ピーキー過ぎてお前にゃ無理だよ!」

そんな風に言われている様な、時代に対してあまりに早過ぎて…そして今だに追いつかれていないサイバーパンクアニメの金字塔。

奇しくも作中と同じ2020年に東京オリンピックが開催と決まった時に話題になりましたね。没になった開会式案では金田のバイクが爆走したらしいので本当に見たかった。

世界中の観客、そして表現者に多大なる影響を与えた作品。この映画がなければ多くの作品は生まれなかったと思う特異点と呼ぶべき作品。これ以上書いても賛辞しかでませんね。

★アニメながら一部グロい表現がありますので注意。流石世界のアニメは子供の物との認識を変えた作品。

★ちょっとネタバレ感想

目に見えないサイキックを視覚化する表現が凄い。見えない力によりガラスが割れる表現や壁が凹む表現なんかは本作が最初?だったりしそう。ラストの映像表現も想像の域でありながら現実と地続きなリアリティを感じます。多くの映像監督が本作のファンだったりオマージュを捧げていたりする理由が観るだけで納得できますよね。

鉄雄と金田"さん"のバトルは本当に手に汗握ります。鉄雄の肉体変化も素晴らしいですし、衛星軌道からのレーザーなんて凄すぎる!金田"さん"の台詞もめちゃくちゃ良いですよね。

あと、全体的に何か喪失感のあるストーリーが好きなんですよね。具体的にこうと、うまく表現でき無いのが恨めしいですが、そのなんとも言えない喪失感が私の心を掴んで離しません。小さな頃、夕暮れにみんなが帰っていく団地の公園で、母親を待って一人遊具に座って居たのを思い出しました。

この想いを全て表現できた先に…はじまりはあるのか?
さみわん

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