JohnConstantine

告発のときのJohnConstantineのネタバレレビュー・内容・結末

告発のとき(2007年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

イラク帰還後行方不明の息子を父(トミー・リー・ジョーンズ)が探す。しかし息子は切断され焼かれた遺体となって発見される。
頭脳明晰な元軍人の父が刑事のシャーリーズ・セロンとともに真相を究明する、そんなお話。

戦争の最前線の凄惨さによりトラウマを抱えて少しずつ精神が壊れていく青年達、子を戦争に送り出す国家・大人達、そしてそんな子供達を育ててきた父や母。

事実を踏まえて、帰還兵のPTSDをテーマにした映画には「アメリカン・スナイパー」など有名な作品がいくつかあるが、本作は少しずつ生じる精神的な不和を、少ない手がかりをもとに遡って表現しているため、また主眼はあくまで失踪・殺人事件にあるため、アメリカン~のように分かりやすく帰還兵のPTSDは描かれていない。

トミー・リー・ジョーンズがシャーリーズ・セロンの息子に話して聞かせるダビデの物語はこの作品全体のメタファーとなっている。
ゆえに原題は「In the valley of elah」なのであって、邦題も「エラの谷」とすべきだったのではと思う。

派手さはなくやや淡々と進むが、それが却って鑑賞後に色々と考えさせる力になっているような印象。
そこではたと、名作であると気付かされる。そんな作品でした。
JohnConstantine

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