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モレク神のtheocatsのレビュー・感想・評価

モレク神(1999年製作の映画)
4.1
ロシア人監督による、まるで幽閉されているかのような孤高の山荘におけるヒトラーと恋人エヴァの一昼夜を描いた異色の空想的独裁者映画。

端的に言えば「狂ったヒューラー」「ちょっと頭の弱い愛人」「追従おべっか忖度するだけの愚図な取り巻き」たちを間抜け滑稽に戯画化したシニカルムービーなのだが、映像としての見せ方と演出がいかにもソ連芸術映画の系譜を感じさせる重厚なものであるため、恐ろしく退屈なようでいて目を離せない心境にまんまとさせられてしまった。

この映画の後に日本の昭和天皇を描いた「太陽」を撮影したとのことなので、探して見つかったら是非とも見てみたい。

レビュー投稿後に付録のパンフレットを読んで何か気付きや思うところが生じたら追記を。
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