みずほ

愛を読むひとのみずほのネタバレレビュー・内容・結末

愛を読むひと(2008年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

過去の地上波の録画鑑賞。

序盤は急展開の性欲爆発にちょっと観始めたことを後悔したけど、我慢して見続けてたらどんどん引き込まれて…

裁判後半らへんからはただただ号泣してた。

観終わって頭の中で振り返ってると、「あの時何考えてたんやろ?」とか「なんで?」とかが色々浮かんできて、自分の周りとも結びついたりして、すごく奥行きのある作品やなって思った。

学生のマイケルが裁判中に面会に行こうとして引き返した時、なんで引き返したのかがすごく気になって。
引きずる別れ方をした彼女と何を話したらいいのかわからない若さなのか。
仮に面会して彼女の無実を証明したとして、釈放された彼女を背負っていくことに対する自信のなさなのか。
それとも罰を受けるよりも読み書きできないことを隠すことを優先する彼女のプライドを守るためなのか。
最初は会ってなんて言ったらいいのかわからないからと思ってたけど、段々守るために思えてきた。

裁判の場面では、正直な人や真面目な人が損をして、保身のために多勢で1人に押し付ける社会の縮図的なものを見させられた気がした。

最後はただただ悲しすぎて。2人は再会しない方が良かったのかな、とか、再会した時にマイケルの接し方が違ってたら何か変わってたのかな、とか。
ハンナはマイケルと再開したことで、自分が世の中に取り残されてしまったこと、周りの色んなことが変わってしまったことを突きつけられて、監獄で1人だった時よりも孤独になってしまったんじゃないかと思う。再会できた時はすごく嬉しそうやったのに、みるみる寂しそうな表情になっていく彼女は見ていて辛かった。

テープが届いて、活力が戻って、文字を読み書きできることがすごく嬉しそうやったのに、きっと嬉しくて読み漁ったんであろう本を最後踏み台にしてたのが、本当に悲しかった。
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