Kiki

愛を読むひとのKikiのネタバレレビュー・内容・結末

愛を読むひと(2008年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

こんなにも心が揺さぶられたのは久しぶり
こんなにも放題がしっくりくるのも久しぶり

時代と生い立ちにのまれたハンナの人生
とても切なく哀しすぎる宿命

字が読めないことを極端に隠し通すハンナ…
苛酷な生い立ちや人間関係を想像してしまう
(原作にたった1行ルーマニアから来た。というポツリと言う言葉からハンナが文盲なのは、ジプシーだったのではないか?という解釈がある。ジプシーとサトラレない為に文盲を死守したかったのか?)孤独に身を置くハンナだった


15歳の主人公と21の年の差の男女関係
恋?愛?を超えた「情」に愬える深いところ
大人の女性に夢中になり「ゆっくり」…
と快楽を求め合い、逢瀬の度に本を朗読して聞かせる2人の空間……

しかし、ハンナから無言の突然の別離、、、

後半は、2人のその後の展開へとガラリと変わる
あの頃に抱いた「情」は…

アウシュビッツ裁判で刑罰を選ぶハンナを見つけたマイケルのとる行動は、、、

カセットテープ越しに声の便りは、昔の人へ そっと存在も届ける。そして……
一瞬、温もりを求めようとしたハンナを
抱きしめることは出来なかったマイケル
流れた時の長さと翻弄された想いの温度差を
「情」は結びつけられなかった
1番切なさを感じたシーンだった…

結果、ハンナは身を引いて彼に迷惑をかけないことを望んだのだろうか?
涙は出ないのに、泣いた!身動きが取れなくなるように重かった

哀しいけれどこれでいい
ハッピーエンドだと陳腐になってしまう
誠実な主人公の生き様が堂々と描かれていた


これでいいのだ。
Kiki

Kiki