ラウシュ魁

愛を読むひとのラウシュ魁のレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
4.2
なんとなく寝れなくて鑑賞。
2、3年前に大学一年生の時に初めて見た映画なんだけど、その頃は正直さっぱりわからなかった…けど今はなんとなくだけど少し理解できた気がする。
タイトルで甘い恋愛映画想像するけど全くそんな話じゃないから注意してね。笑

平たく言うと青春時代にした歳上女との初恋が忘れられなくて、マイケル(主人公)の人生とか人格そのものを変えちまったって話なんだけどね。
なにせその歳上女がナチスのユダヤ人大量殺害に加担していて、それがマイケルの心に重石のように残ってたって感じのストーリー。

ハンナ(歳上女)は文盲で、彼女の人生において本を読んでこなかった。つまり会話しかしてこなかった。
ストーリーの至る所で確認できるんだけど共感能力が欠如してたのかな?
それか文章に触れてこなくて、会話っていう表面上のコミュニケーションしかしてこなかったから、なんてゆーか、人間の深いところが理解できないのかな?
それだから囚人の命の危機にもあくまで自分に与えられた任務しかできなかったのだと思う。
それが、マイケルの読む戯曲とか叙事詩とか文学作品で、初めて言葉の深みに触れて、考えることができるようになった。
初めて、自分がたくさんの人の命を奪ったという事実について考えることができたのだと思う。

前半は文盲であることを恥じて、後半というか終盤は自分の過去を恥じていた。
いやー深いな。怖いくらい深い。


ドイツの過去の克服とかをテーマにした映画では初めて見たけど本当に難しいなー。
あんまりもう一回見たいとは思わないけど名作だと思う。うん。
ラウシュ魁

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