ラウシュ魁

最後の決闘裁判のラウシュ魁のレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
3.8
巧みな映画、上手い。これに尽きる。

三章構成で、出世とは無縁の愚直な男カルージュ、彼に対して出世していく友人思いな男ル・グリ、そしてル・グリに強姦されたカルージュの妻マルグリットという三者三様の視点から描かれる。

中世ヨーロッパ世界のフランスが舞台ではあるが、どこか嫉妬や愛憎をめぐるミステリー事件のように描かれていてとても面白く観れた。とはいえ物語が進むにつれてそんな単純な話じゃないことが見えてくる。第一章のカルージュの視点からの話とマルグリットの視点からの話が印象として全然違ってて面白いんだけど、それだけでなく映画はまさに中世ヨーロッパ世界での女性の置かれた境遇について描いていている。女性はあくまで妻として男性の財産になっている。法廷のシーンなんてまさにセカンドレイプ。(それはそうと、カルージュの母親が黒幕なんじゃないか?って気持ちを抑えられない…)

そんな胸糞悪さも、最後の決闘のシーンで塗り替えられる。スリリングで迫力ある決闘シーンは良くも悪くもこの映画のエンタメ性を高めている。映画としては良いと思う。どちらが勝ったのか、この話の決着がどのようにつくのか、是非観てみましょう。笑

これを2023年から2024年にかけて世間を騒がしている方々はどのように観るのか。ストーリーが良く、(良くも悪くも)映画としてのエンタメ性もあり、大事なメッセージを伝えてくれている良い映画🙆‍♂️
ラウシュ魁

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