むーた

愛を読むひとのむーたのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
3.7
冒頭、15歳の少年が、熟女に童貞をさらっと奪われてしまい、展開早!どういう話なんだ、、?と思っていたのもつかの間、ラストは大号泣でした😭二人の切なく深い愛の物語。

前半は、二人でベッドで本を読んだりとハンナの家で過ごしている場面。
物質的に豊かな生活ではなくとも、愛する人と本を読んだり二人の時間を持てるってなんと豊かで贅沢な時間なんだと、二人のすばらしい演技を見ていて感じました。

ケイトウィンスレットもめちゃくちゃはまり役だし、少年役の方も、純粋であまり自信が持てないティーンで、でもハンナのことが大好きというキャラクターがとてもよく伝わってきて素晴らしかったです。ハンナに怒られると、小動物みたいな顔に😂


ハンナがコンプレックスを信じられない状況でも隠そうとする気持ち、少しだけ理解できる。

周りから見たらそんなこと、と思うことでも、コンプレックスを持ってる本人からすると、恥ずかしくて恥ずかしくて、一大事なんですよね。

そして、彼女の法廷での態度もなんとなく理解できる。

状況が状況ではあるんですが、ある意味、
彼女は自分の仕事を全うしただけなんですよね。

そして、ナチスもある意味、国民の意思を全うしただけのこと。
ヒトラーに煽動されたとはいえ、国民は、自分たちの生活を守るために、ユダヤ人を排除してくれるナチスを選んだ。

ヒトラーは、当選後にはユダヤ人のことなんてどうでも良かったみたいなんですが、国民の不満の声が募り、やむを得ず予算のかかるアウシュビッツ建設に着手した、と本で読んだことがあります。

ハンナたちの裁判中に「ナチスめー!」みたいな野次を飛ばしている人たちがいたのですが、それがドイツ人だったら怖いと思いました。

他人を無下にしても自分を守る手段を選んでしまう人間の弱さと怖さ。そしてそれを学習せずに同じことを繰り返す愚かさ。
昨今の世界の政治状況にも似たような恐ろしさを感じてしまいます。

ナチスに関する映画を見る度に、ホロコースト怖い、ヒトラー怖い、という以上に、自分自身を見つめ直す機会であるべきだなと感じます。


話がずれてしまいましたが、後半は涙なしには見ることのできない愛の物語。せつなすぎる~😭
むーた

むーた