ニャントラ

コヤニスカッツィのニャントラのネタバレレビュー・内容・結末

コヤニスカッツィ(1982年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

・コヤニスカッツィという言葉の語源について考えながら観ていた。「爆発」あるいは「人間と工業」がテーマなのかな〜と思ったけど、「他人の生活を脅かす生活」ね、なるほど。
・社会の際限のない発展については……批判的な眼差しも持っているけど、同時にたくさんの恩恵も受けているので、どんな気持ちでいていいのかよくわからない。
・幹線道路のことを「大動脈」と言ったりするけど、早回しで車が光の筋になっている場面を見て「本当に大動脈だな」と思った。車の赤いランプが赤血球のよう。
・監督がインタビューの中で「人間の持つ獣性の美しさを表現したかった」と言っていて、それだ!と思った。人間の営みの美しさ……というか、これだけの人々がアメリカという国でこんな風に働いたり、食べたり、歩いたり、余暇を過ごしたりして暮らしているんだなというところで……感動とか感銘と言うには大袈裟ながら、深く感じ入りながら観ていたんだけど、「人間の持つ獣性の美しさ」という言葉がそれを適切に表現しているような感じがした。テクノロジーと獣性って相反するものだからこそ人間の営みの美しさが引き立っていたように思う。
・あと、監督が「映画を観るのに理由はいらない、映画は旅だ」って言ってて、そうか……旅かあ、って思った。最近物凄い量の映画を見て、心動かされすぎて気持ちの置きどころがない感じがしていたけど、旅ならしょうがない。旅だねこれは、確かに。座りながら遠くへ行けるんだからね。
・アメリカの改札なんて見る機会がないから、資料映像的な意味でも面白かった(今はもっと最新式かもしれないけど)。東欧諸国バージョンでも観てみたい。
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