しぃ

デビルのしぃのレビュー・感想・評価

デビル(2010年製作の映画)
1.5
フーダニットかと思いきや、犯人の動機が不明な、いわゆるワイダニットもの。具体的にいえば、つくった動機が謎なタイプの映画。

雰囲気は良かったと思った、冒頭は。不穏な空気、「悪魔」の昔話、原因不明の自殺に、閉じ込められた5人。

それ以外は全く好みじゃなかった。
何を見せたいのか、何を考えながら観たらいいのか、なんでつくったのか、全然わからない。

文芸部の新入生ですら、もうちょっとひねるでしょっていうレベルの「謎」。ストロング缶5本目片手に部屋掃除しながら観てても、展開予想できるよね。なんの謎もない以上ミステリーとしては成立しないし、一次元なキャラたちに感情移入も出来ないから誰がどうなってもどうでもいい以上、スリラーやホラーにしては失格だし、これで笑えたらいいんだけど、笑いながら観るほどぶっ飛んでもないし。

真相は別にあれでいいと思う、そういう路線なのは序盤から明確に伝えてきてるし。そのあとが予想通りの人物なのも、予想通りのオチがつくのも、まあ別にいいんだけど、せめて各キャラがもう少し感情移入できる人たちで、もっと極限状況の中疑心暗鬼になっていく様子とか欲深さとか人の不道徳な一面が炙り出される姿を描くとか、最悪もうグロ売りにするとか、もっと持って行き方があっただろうになー。

取ってつけたような説教臭さから、一瞬福音主義団体のプロパガンダ映画かと思ったけど、ただのM•ナイト•シャラシャラママン作品(脚本担当)でした。よっぽど『レフト•ビハインド』の方がネタとしても面白かった。
しぃ

しぃ