しぃ

愛してるって言っておくねのしぃのレビュー・感想・評価

愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)
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かなり評価されてる12分の短編なので、興味あるなら今すぐ観ちゃった方がいいと思います。ネッフリのあらすじが全部明かしてるのでネタバレタグ付けないけど、こういう映画は前知識無しで観た方が楽しめるとは思う。

何千年も前からウォッチリストに入れてたので観たんですけど、その、、、全然好きじゃなかったです。銃の話にするのか、子を失った苦しみの話にするのか、そこから前に進む話にするのか、どれかに絞るべきだと思った。何故前に進めるのかが十分描き切れてないと感じたし(猫がレコード機つけたから?)、子を失った悲しみなら乱射ではなく交通事故などのより「一般的な」死因の方がふさわしいように思うし、銃器に関する議論は、日本に住む日本人が関わる問題ではないとは言え、12分のアニメーションに還元できる簡単な問題でもないと思う。TikTokやインスタでバズる、「みんなこういうの好きでしょ」感に溢れた人畜無害な「動画」という印象が強くて、その、ここまで評価されてる理由が全然分かりませんでした。
「乱射事件で子どもを亡くした人たちのための作品」という議論はできるだろうけど、それならもっと踏み込んだ作品はいっぱいあるし、メッセージやテーマについて特段この作品が優れてるとも感じませんでした。

アニメーションは可愛くて好きだし、音楽も良かったとは思います。セリフ無しのミニマルなアニメーションは、国や時代を感じさせぬ、ユニバーサルな苦しみや愛の話に昇華させたとも思います。でもだからこそ、アメリカ国旗を映し、銃社会の議論にされたのが、少し興醒めだったのかも。

ほぼ女性のみのチームで実現されたとか、作品そのものの出来とは別の話だとも思うけども、良いことだとは感じました。

まあ、ひとつだけ確実に言えるのは、なんとなく将来に不安を覚えて眠れなかった午前3時に観るべき作品ではなかったです。
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