「シックス・センス」のＭ・ナイト・シャラマンが企画・制作・原案した
ただし本作では演出はしていない。
フィラデルフィアの超高層ビルのエレベーターに閉じ込められた５人の人物が直面する恐怖と外部から事態に対応する人々を巡る「怪異」を描く異色作。
ミステリー色も強い作品なので情報は制限して、できれば予告なども見ずに鑑賞した方が良いかな。
本作への評価は結構、はっきりと好き嫌いが分かれそう。
「ホラー」を期待して見ると物足りないと言う人も多くなるでしょうし、
逆に「ミステリー」として楽しもうとするとオカルト的な展開に白ける人もいるかも知れません（都合が良過ぎるじゃないかと・・・）。
でも結構楽しんでみてしまった。
ちょっと70ｓのホラー、例えば「オーメン」の頃の作品のような雰囲気があったりして嬉しかった。
設定が極端にシンプルなこともあってランニングタイムは約80分と短くなっているが、下手に欲を出して水増ししなかったことは正解だったと思う。
物語の展開そのものは「ホラー」と言って差し支えないでしょうが過激な演出は皆無。
人は次々に死んで行きますがこれはその陰惨な場面を見せるのが目的の作品ではない。
むしろ人は犯した罪に対して審判を受けねばならない、と妙に説教臭い（見ようによっては宗教的とも言えるかも）お話と言えます。
実際、結末のつけ方などにはそういう気配が濃いのですが、万国共通の「因果応報」コンセプトが基本の物語なので日本人にとっても馴染みやすいと思います。
と言う訳で「ホラー」としては微妙な作品なのかも知れませんが「奇妙な話」としては楽しめました。
小粒な設定ではありますが警察側の動きの取り入れ方など見せ方が巧く、意外とスケールの小さな感じはしません。
そこはカメラのタク・フジモトの腕が光ってますね。
