ねこ

タレンタイム〜優しい歌のねこのネタバレレビュー・内容・結末

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

今の日本では考えられないほど、人種や宗教や言語の違いや溝が身近で、でもその差別を痛烈に批判するというより、マレーシアの人々の日常に、そういったエッセンスや背景が自然と垣間見えるような映画だった。私たちにとってはそうした「違い」が珍しくて、そこばかりに目がいってしまうが、マレーシアの人々にとってはそれが日常なのかもしれない。マレーシアの知り合いがいないから分からないけども。ストーリー等々奇抜なものは無くて地味ではあるが、それを丁寧に撮る事で、心に刺さるものが沢山あった。私にもっと経験と教養があれば、より深く理解できたはず。結局は他人事としてしか受け取れないのが悔しい映画。
公園の子供たちと車椅子の男だけ、どうしても存在がよく分からなかったけれど、その部分は映画的なフィクションという解釈で良いみたい。周りには見えない車椅子の男が、入れ違いで出ていく息子に見えたシーンは、息子が母に死の影を感じたということかもしれない。
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