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トリシュナのbopapaのレビュー・感想・評価

トリシュナ(2011年製作の映画)
3.0
「テス」というお話が下敷きにあるらしいですが未読、未見です。インド人がインドで演じてるのでインド映画かと思ってましたがイギリスの映画だそうです。「サムソンとデリラ」でもそうでしたがその国に根強く残る格差による差別、人種による差別などは日本にいたらなかなか理解出来ないお話。ラスト45分辺りでのボンベイでの告白から明らかに2人の距離感が変わってしまうんですよね。


以下ネタバレ含みます…


日本でこんな2人の関係だと金持ちクソ男と断り切れない流される女、で済みそうな話ですがインドという国の中の経済格差やカースト問題考えるとこの2人の、映画でははっきり描かれてない関係性がやはりそこには存在したのかとも思います。

基本的に他人のセックスを観る事に興味が無いのですが、その中でも特に愛の無いセックスをわざわざ見ると(この前観た「愛の渦」でも感じましたが)動物の交尾にしか見えないので、物語の進行上必要とはいえども後半のホテルでのジェイとの行為シーンの連続は凄くつまんなく感じてしまいました。

その結果としての唐突に訪れるシーンですが、一度は愛した女を豚みたいに扱ったらそりゃああなっても仕方ないよジェイさん!とビビりました。そこから逃避して元の生活に逃げ込みメデタシメデタシ…かと思ったら…。

最後に子供達がインド人としての教義のようなものを唱えてますが、それに反する行為をした自分を戒める為の自害なんですかね。

自害の描写に整合性を求めようとすると何らかの解釈が必要になりますが、悲劇としての元ネタがある為にラストがハッピーになる訳にはいかんかったんかな。一度は愛した男が豚野郎とはいえ罪の意識に耐え兼ねた末の自害だったら悲しい結末ですね。
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