再見。やはり傑作。だがなんで自分がメガホンを握るとこうも陰惨な映画になるのか。メリーゴーランドひとつでどれだけむごいシーンをとるんだよ。
初見時は玉に一発、頭に一発撃ち込む復讐者ソンドラ・ロックの虚無顔に目を奪われたが、今回はオードリー・J・ニーナンのドグサレっぷりが響いた。ソンドラ・ロックに銃を突きつけられて、己が死ぬとわかっていながら吐く台詞が「淫売の妹はどうしてる?」。クズの矜持。
最初はただの障害に見えたパット・ヒングル演じる警察署長が内に秘めた思いを吐き出すシーンも素晴らしい。安易に感情を表に出させず、むしろ淡々と芝居させるからこそ、秘めた感情とそれを見せまいとする強かさが表れる。イーストウッドは役者の品性を損なわせないから好きだ。
あと、イーストウッドに報復しにきたギャング三人組が、イーストウッドが隠れている(と何故か思っている)ゴミ箱に向かってマシンガンを全弾撃ち尽くすところ、『ペイルライダー』で虚無に向かって撃ち続けるのと同じ大ウソですね。
イーストウッドが飼うことになるブルドッグがめちゃくちゃ不細工なのも良い。