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血と骨のクリームのレビュー・感想・評価

血と骨(2004年製作の映画)
3.9
まるでゴキブリの様に生きる力は桁違い、繁殖能力も半端ない、稀代のクズ男を北野武が怪演してます。映画として凄いとは、思いますが、やっぱり暴力で解決するジジイの話は好きではない。観ててずっと嫌悪感。色々、バチも当たるから、まあ良いが、不快極まりない主人公だった。梁石日(ヤン·ソギル)が実父をモデルにした小説の映画化。 モデルがいるのが信じられない。

1923年。金俊平は日本で一旗揚げようと済州島からやって来た。大阪の朝鮮人長屋で家を持ち、李英姫と結婚し子供も産まれ、開業した蒲鉾工場も繁盛して行く。しかし、あまりにも傍若無人で凶暴な俊平は、家族やまわりの人間から恐れられていた。そんな男の生涯を綴っています。



ネタバレ↓



俊平と妻の間には妻の連れ子の娘と他に花子と正雄が誕生。連れ子と俊平の弟分、高信義が結婚した。正雄が9歳の頃、父は姿を消し、家族は幸福だったが、突然、帰って来て地獄の日々が始まった。
帰るなり妻を子供らが見てても構わず強姦。家族に愛情なんてありません。火事で焼けた隣の家を勝手に改築し蒲鉾工場を立ち上げ、従業員を暴力で支配し荒稼ぎ、金貸しを始めた。
ある時、息子だと言う男が嫁を連れ現れた。彼の母親は俊平に犯され、彼を産んだ後、俊平に殴り殺された。その負い目で暫く置いたが男が出て行く時、大乱闘。殺す勢いだったのを皆で制止した。彼は10日後に撃たれて亡くなった。
浮気相手を近所に住まわせたが女は脳腫瘍で倒れ寝たきりに。
俊平は工場をやめ、高利貸1本で稼ぐ。集金方法がほぼヤクザ。湯呑みを歯で、割って、己の腕を切り血を入れ、飲めと言う。自分の金は自分の血と同じだと…。花子は父の暴力から逃れる為に良く知らない男と結婚するもこいつも暴力亭主だった。
浮気相手の介護の役にシングルマザーを雇った。で、その女も強姦し子供を生ませた。 正月祝いの為、父を呼びに行った正雄は父が介護が必要な方の愛人を窒息死させている所に遭遇した。父は、楽にしてやったと言う。
その後、英姫が子宮癌になり、正雄は母の治療費を出して欲しいと父に言うが、金を出さず、喧嘩。息子は出て行った。
花子が自殺し葬儀で、俊平が花子の夫と乱闘。途中で、脳卒中で倒れた俊平は右側麻痺となった。助けてと言う夫に英姫はいっぺん死んでみたらいいと呟く。
介護人だった愛人に財産を全て持って行かれた俊平は、不自由な身体で高利貸を続け、彼女が生んだ息子を誘拐し、母国·北朝鮮へ帰国。持ち得る財産を全て国に寄付した。 1984年、北朝鮮。誰に看取られることもなく息を引き取った。息子は側にいたが無関心だった。

もう、ホント虫酸が走るくらい嫌いな男の話だったが、途中で止められず観てしまった。このクソジジイ、誰に対しても愛情なんて無かったと思います。愛人だって、邪魔になったから、殺したまで。こう言うの美化する解釈は絶対に嫌だ。超絶イライラしたけど観たと言う事は、面白かったって事なんだけど、嫌いです。嫁の「いっぺん死んでみたらいい」は、スカッとした。それにしても北野武の怪演には驚かされた。ホントに嫌な奴だった。

※ウジ虫のわいた肉をそれを吹き飛ばし食べる姿はホラーだった💦
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