ちろる

失はれる物語のちろるのレビュー・感想・評価

失はれる物語(2010年製作の映画)
3.5
乙一さんの原作は未読。
ピアノ教師をしているりさは、生徒として通い始めた久生と恋に落ちて結婚し、子どもも産まれるが、とある日久生は事故で植物状態となる。
植物状態となり反応のない夫の腕を鍵盤にして必死にコミュニケーションを取るりさと、わずかな感覚からりさの心の中を探ろうとする久生。
悲惨な現実に身を置くがわと、三途の川の途中にいる側、二つの世界を交互に見せるダウナーな映像世界。
三途の川を渡るか渡らないかのその途中で、生きて待つものの怒りや苦しみに、声をかけることもできず、残酷な終わりを選ぶその気持ちはちょっとだけわかる気がする。
永遠の闇に自ら身を委ねるということがどんなに残酷な選択なのか、想像しただけで恐ろしい。
映像がちょっとだけ退屈なので、作品の雰囲気としては、いまいち好きにはなれなかったけど、内容から原作には触れてみたいなと思えた作品でした。
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