Toineの感想文

ブロークンのToineの感想文のレビュー・感想・評価

ブロークン(2008年製作の映画)
3.5
【私というの存在のゲシュタルト崩壊】
鏡を活用したじわじわ不吉ホラー。
前作の「フローズン・タイム(2006)」とは雰囲気が違いジャパニーズホラーみがありました。

エリス監督の美にこだわった画作りが大好きです。
序盤から徹底的に不穏なのも良き。
画面から冷気が流れてくるように感じる。
お部屋の温度が下がりそう。
その空気に飲み込まれ観ている側も神経がピリつく。
ずっと緊張しながら鑑賞しておりました。

ラスト20分くらいから急速に物語が加速して行きます。
それまではひたすら不吉な雰囲気と綺麗な映像で作品を持たせていたのも凄いなと。
主演の女優さんも当たり役だと思いましたわ。
作品の雰囲気にめちゃめちゃ合ってました。
凍てついた美女。良き。

オチが分かると王道ホラーだなと思いましたし好き嫌いが分かれそうです。
監督の作品の中では評価が低いですが私は好みでございます。
映像美だけでも観る価値ありだと思います。