田山信行

シリーズ7/ザ・バトル・ロワイアルの田山信行のレビュー・感想・評価

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デスゲーム系映画は数あれど大概は現代とは離れたディストピア的な近未来へ設定を置く中で、恐らく唯一この映画だけが現実と地続きだと思える現代へと根ざしたものになっている。無作為に選ばれた市井の人々のバトルロワイヤル。

殆ど無名のキャストや低予算のビデオ撮りであることが功を成して本当にこんな番組がありそうなリアリティを獲得している。とことんリアリティTV風なので映画という感覚は薄いけども実際に人心が荒廃しきった現代社会での命を的に賭けたゲームを擬似的に楽しむことが出来る。

結局フィクションではあるものの作ろうと思えば作れてしまうのだなと。さすがに娯楽の裾野が無闇に拡大されてきた今の現実でも命を弄ぶエンターテインメントなんてのはさすがに作られてはいないが。まあしかしネットを見渡す限り多数の人間たちがなんだかんだとやり合ってる状況、そして少なからず命を落としている人間もいるのを目にすると何がどう違うのかとも思えるが。
田山信行

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