ゆれるのうちゃのネタバレレビュー・内容・結末

きょうだいがいないが故、その間柄の「ゆれる」気持ちは分かりにくいけれども、記憶に人の心が影響するものは計り知れないと考えさせられる内容だった。

猛と智恵子は元々恋仲であった。
しかし、猛は久々に会った智恵子に気づかなかった。
そんな智恵子に思いを寄せている稔。
田舎のしがらみや親の世話や跡継ぎを稔は引き受けた。
猛は自由に生きている。
智恵子は猛について行こうとし、稔は猛に抱かれた智恵子を憎みつつも引き留めようとする。みんなの気持ちが吊り橋のように「ゆれる」。
稔は智恵子を突き落としたのか？
智恵子を助けたかったのか？
猛の罪悪感が稔を悪者に仕立てたのか？
猛は、兄弟の関係性が大人になって歪んでしまい、幼少期の映像を見たことによって
素直さを取り戻したのか？
観ている方の感情や視点も「ゆれる」

オダギリジョーの故郷を消したかのような冷めていた態度から家族を想う熱い人間への変わり様、香川照之の細かい表情の変化、伊武雅刀や蟹江敬三の演技ははもちろんのこと木村祐一も淡々とした検察役がハマっていた。