似太郎

ゆれるの似太郎のレビュー・感想・評価

ゆれる(2006年製作の映画)
2.8
【真実とは何か】

イケメンの弟・オダジョーをひたすら美化してウザい兄・香川照之をディスりたい!といった監督の潜在的欲望を敢えてオブラートに包んで犯罪者の濡れ衣を着せられた香川照之の肩を持つといった作風になっている。

平成のおバカ監督、西川美和らしい魂胆見え見えであざとい脚本、何から何まで表層的な「重厚さ」「静謐さ」を装った画面まで笑止千万な一作。法廷弁護人のキム兄がとんでもないミスキャストで、その「ぶっ飛んだ」センスはある意味水野晴郎的とも言える。全く辻褄が合っていないのが凄い。

このように嘘が真実に、真実が嘘に転換されるといった手法は『ディア・ドクター』にも継承されている。本作が好きな方には申し訳ないが、何の感銘も受けない兄弟確執モノだった。
似太郎

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