misa

ゆれるのmisaのレビュー・感想・評価

ゆれる(2006年製作の映画)
4.0
真実とはどこに存在するのか。巧妙にズレる音と映像のリズムによって「真実」への余白を作り上げる本作。

役者の目の動き、表情の移り変わりに含まれた感情の移ろいを機敏に察知させることで、観客は翻弄されていく。

「事実」を探る中で我々はそれが精神とは切ってもきれない「真理」であることに気づく。我々が追い求める真理は各個人の数存在し、そこにたどり着くためには各々と向き合う必要がある。
作中の兄弟はある事象に対して真理を探る中で、互いを通して自己を内省する。途中で挟まれる事実らしい映像がなんであるかは想像の範疇を過ぎず、ただそこに存在する精神のみが自分の持ちうる真理なのだと突きつけられる哲学的な作品であった。

とにかく香川照之は本当にすごい役者だと思わざるを得なかった、、
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