もやすてっぷ

アシク・ケリブのもやすてっぷのネタバレレビュー・内容・結末

アシク・ケリブ(1988年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

主人公であるアシク・ケリブが領主の娘であるマグリをお嫁にもらおうとするも領主に反対され追い返されてしまう。身を立てるべく1000日の旅に出た彼の前途多難な物語……と言った感じですね。
民族衣装や、眉毛の繋がった女性、民謡など、普段触れない文化がてんこ盛りで楽しめた。白ザクロや黒ザクロなどでわかりやすく生と死を意味してるのかな?他の作品にも使われる演出のようなので見てみたい。

パラジャーノフがインタビューで語った「私はジョージア州で生まれ、ウクライナで働き、アルメニアで死ぬつもりです」という言葉はこの作品の序盤に出てくる老人の「生まれた土地で死にたいのだ」というセリフと重なるように感じた。

基本的には決まった構図でカメラがほとんど動かないので、映画と言うよりは舞台劇を見ているような感覚だったかな。これはこれで新鮮だった。
母親の失明の表現なんかも視覚的にわかりやすくてよかった。

この方の、というかこの時代の映画なんかが見慣れないのもあってなかなか楽しみ方を見つけるのが難しいが、知識を付ければさらに楽しめるのだろうか。
色々模索中だが幅広く楽しみたいなと思う。