ミシンそば

アシク・ケリブのミシンそばのレビュー・感想・評価

アシク・ケリブ(1988年製作の映画)
3.5
積みDVD消化。二度目のパラジャーノフ作品。
レールモントフのおとぎ話を、パラジャーノフ流に料理した感じ。
原作はよく知らないが、おとぎ話的な本質はデ・シーカの「ミラノの奇蹟」に近い何かなのか。と邪推。

ランタイムは短いが、例によって観る絵画とでも言うべき絢爛豪華な画やラコニズム的表現は、相変わらずまだそんなに得意ではないようだ。
それに関しては、雰囲気で理解して奥行きを自分で探すしか方法がない。

「あー相変わらずパラジャーノフだったなあ…」と言う偉そうな感想しか抱けないと思いきや、最後に途轍もないサプライズがあった。
言わば、映画作家としてのソ連に対する慟哭なんだろうか。
最後にあの文言が目に留まる。
それだけで、この映画を観てよかったと思えてしまうからズルい。