いやん

デッドマン・ウォーキングのいやんのレビュー・感想・評価

デッドマン・ウォーキング(1995年製作の映画)
5.0
1990年代、まだ若い時に当時は一人で映画館に行くという習慣がなく、よりによって同年代の女性の知人を連れて行き、内容が重くて映画館を出たときに先方は絶句していた、みたいな(ほろ苦いような)記憶もある映画ですが、
ショーン・ペンが少しいきがって、元気旺盛でいながらも殺人はやっていないと最後まで言い張り、再審なども望むのにそれも無理だと分かったときにサランドンふんする修道師さんには実はやってしまっていたと、それまでの威勢が良かったショーンの姿はなく、殺人をしておきながらひたすら死刑におびえるというあたりは、なかなか考えさせられる結末ではあります。
一緒に見に行った人が言葉少なになるのも納得といえば納得の重いテーマの映画ではありますが、圧巻の内容です。
私自身は死刑反対論者ではないのですが、刑という形にせよ、犯罪者が被害者から奪う形にせよ、命を奪ってしまう・経ってしまうことの様々な面を考えさせる映画です。

違う論点じゃないかと言われそうですが、許されざる者という映画では逆に若者のガンマンが今まで何人も殺してきたすごい腕だと虚勢を張ってイーストウッドやフリーマンについてくるのにいざ1人銃殺すると実は今回が人を殺すのが初めてだとおじけつく、というシーンが中盤にあります。

殺していないと虚勢を張るにせよ、殺した実績を誇る虚勢を張るにせよ、サランドンなりイーストウッドなりの老獪なものの前では見抜かれてしまう、そして老獪な人たちはさらっと受け止めてあげるという点では共通しているように感じてしまいました。
いやん

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