いやん

イングリッシュ・ペイシェントのいやんのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

エンドロールで「事実を描いた映画ではないが、いくつか実在の人物をモチーフにしている」みたいな説明があったので、完全な小説・フィクションというより、実際に第2次大戦中のアフリカ戦線でのイギリス人の探検家なり、モデルになったような実はあったよんな不倫なりがあり、それに忠実に描くと時系列が前後したりする、よくもわるくもまとまりに欠ける展開になった映画なのかな、
とも好意的に解釈できなくもないのですが・・・
2時間30分越えで、男女の不倫の記憶話、
現在進行形の男女の物語、
そしてアフリカ戦線、
と盛沢山すぎて正直言って眠くなってしまいます。

最近のテレビの再放送で再度チャレンジしてみて、
1990年代に映画館で爆睡して、
内容がちんぷんかんぷん状態で終わる、
ということはないものの、
ある程度不倫をしてでも男女の恋愛を貫く話が素敵だよね、
と感情移入できる性格でないと、
レイフ・ファインズと女優さんの抱き合うシーンで大仰なクラシック風の音楽が流れたりすることに違和感を感じずに聞くのは難しいのかな、
と感じました。

普通の地上波のありふれた、しかも深夜時間帯あたりにやっていそうな
低予算の企画での、不倫系ドラマだと少しコメディ的な
見方もできるのですが、
一応はアカデミー受賞らしい、ちょいと肩ひじ張って
2時間以上の長い映画を見るんだという気合をもって見るにしては
奥深さに欠ける、中途半端感が残る作品でした。

このように悪く言ってしまったものの、
ウイレム・デフォーの演技単体としてみた場合、
ジュリエット・ビノシュの演技だけで評価した場合、
イタリアの風景や砂漠の映像の綺麗なさま、
とそれぞれの構成要素のみで取り出すと
とても秀逸な映画であることは間違いありません。

せっかく素晴らしい演技や映像があるにもかかわらず、
その組み立て方がなんともへんてこで
感動が感じられず、なんだかなあ、時間を取ってみるほどだったのかなあ、
とため息が出てしまうのが悲しい映画でしょうか。

また、賛否わかれると思いますが、
ビノシュの演技は好きですし、フランスの美人女優さんだと思うのですが、
存在の耐えられない軽さやダメージなどで
肌を露出するシーンが多い傾向がやや引きずっていて、
ヌードまではいかなくても、
わざわざここでビノシュさんの着替えシーンみたいな映像を
差し込む必要があるのかね、
と疑問を感じてしまうカットが多々ありました。

ソフィー・マルソーも一時期無駄にそういう
シーンが多いことがあったので、
フランスの女優さんにはありがちな傾向なのかな、
とも思ったりもしますが。

ダメージあたりは、そういう色気にジェレミーアイアンズのような
大の大人でも狂わされるという主題なので、
そういうシーンが増えても文句は全くないのですが、
この作品ではビノシュさんのそういう撮り方の必要性が
高くないと思えるので、その点でも違和感が残る映画でした。
いやん

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