特報（予告）にスピード感があって◎
後年特撮時代劇系を得意とした志村とあってアクションシーンに拘りを感じた。銀行支店長の佐分利が弟藤田の経営するとんかつ屋からの帰り道でギャングの殺人現場を目撃し脅されることから物語は始まる。結婚したいからとんかつ屋やめて会社勤めするとか言い出す藤田ただでさえおかしいのに暴力で解決は完全にサイコパスであった…「黄金獣」も終始気になる空気があったが明らかに外国ノワールに影響をみてとれる志村敏夫の監督デビュー作。

• #mingo2021

殺人に誘拐に佐分利ンが立ち向かうヤツかと思ったら弟の藤田進が相変わらず訛ってマイペースに暴力で事件を解決するっていう読めない展開。結婚したいからトンカツ屋辞めて会社勤めするとかなんとかほんとにできんのかよ藤田進。かなりギクシャクはしていたがアクションシーンの頑張りがすごい。空き地の水溜りやドラム缶。誘拐された佐分利ンの息子がヤクザとの乱闘にビクともしていなくて感心感心。

改題短縮版『狼ボスを倒せ』。殺しの現場を目撃してしまった一介の銀行支店長サブリンがギャングに脅される巻き込まれ型サスペンスで、これが監督デビューという志村敏夫の演出は意外に冴えてるんだが、佐分利の弟・藤田進の暴力がほぼ全てを解決するという豪腕なストーリーがそれにも増してステキであった。チンピラを殴る投げ飛ばすで大暴れする藤田進、眼福。いちいち敵が水溜まりに突っ倒れるのもイイ。そんな藤田に男惚れして改心する堀雄二も◎。