ゴン吉

バーティカル・リミットのゴン吉のレビュー・感想・評価

バーティカル・リミット(2000年製作の映画)
3.8
標高8千メールのヒマラヤを舞台に人間のエゴを描いた山岳ヒューマンドラマ。
クリス・オドネルが主演、ビル・パクストンらが共演。

舞台はパキスタンのヒマラヤ。
有名な登山家エリオット・ボーン(ビル・パクストン)は女性登山レポーターのアニー・ギャレットと山岳ガイドの3人でヒマラヤK2登頂を目指す。
ベースキャンプで、アニーはたまたま兄のピーター(クリス・オドネル)と久しぶりに再開する。
ボーンら3人は登山を開始するが、途中で天候悪化が予想されたため、山岳ガイドは引き返すことを提案する。
ボーンはそれを強引に押し切って登頂を続ける。
その後、天候が急変し、3人はクレパスに落ちて閉じ込められてしまう。
山岳ガイドは負傷し、肺に水が溜まり始める。
そんな時、べースキャンプと連絡が繋がり、ピーターは妹のアニーが生きていることを知る。
ピーターは、自分の妹の命を救うたに、ベースキャンプにいた登山技術のない素人までも救出に向かうことを強要する。
結局5人がニトログリセリンを背負って無謀な救出に付き合うことになる。
ピーターは他人には大口を叩く一方、自身の登山スピードが遅く、チームの足を引っ張るクズっぷり。
途中でピーターとともに救出に向かった5人は二次災害で次々と命を落としていく。
果たして生きて戻れるのは誰なのか?

オープニングは、モニュメントバレーでの主人公の家族三人によるロッククライミングで始まり、素晴らしい風景と絶壁のクライミングの緊張のシーンで引き込まれる。
壮大な景色と次々と遭遇するピンチにハラハラです。
一方で人間のエゴと醜さを描いていて観るに堪えなかった。
特に主人公のピーターのエゴが腹立たしく、彼の為に多くの人命が次々と失われる。
登山で一番怖いのは、雪山でも天候の急変でもクレパスでもない。
人間の心です。
そんな人間の醜さを描いた醜作です。
「パパも喜んでる 怒りながら褒めてくれるわ」

2023.7 テレ東で鑑賞(午後ロード・吹替:松崎広幸 訳)
2021.2 テレ東で鑑賞(午後ロード・吹替)
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