愛と憎しみは紙一重
子供の純粋さと無邪気さを1人の狩人を利用して描く傑作。鑑賞前はシンプルな殺人サスペンスだと思っていましたが、全然違う。殺人鬼よりも子供の方が恐ろしく見えてくるR指定童話のような物語でした。
本作で印象的なもの、それは影を活用した撮り方が秀逸。焦点を当てたい人だけに光を当て、それ以外の人達は影で隠す。ノー編集で主観的視点を表現できる職人技。監督は誰かな?と思ったらまさかの『情婦』で常に不機嫌そうな弁護士を演じたチャールズ・ロートン。あのおじいちゃん、やるじゃん。
ヒッチコックのようなサスペンスを期待すると残念な思いをするかもしれませんが、常に狙われているという静かな緊張感が最高に癖になる作品。ロバート・ミッチャムのカリスマ性に惹かれる93分間。魅力的なヴィランの1人です。
2024.4.4 初鑑賞