ぼっちザうぉっちゃー

黒猫・白猫のぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

黒猫・白猫(1998年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

TSUTAYA10本10泊1100¥中に、あまりに魅力的で借りてしまった11本目の作品。
期待通りの良作でした。音楽が鳴り止むことなくどこかなめたような軽やかな雰囲気が全体を包んでいて、ただもう家畜でいっぱいの河岸その生活感を感じるだけでゆるりと楽しめた。
しかしながらいかんせんキャラが濃い。車椅子かと思ったら爆速で走り出す嘘みたいな乗り物に乗った金色サングラスの富豪じじい、美声で歌いあげながら尻で釘を抜く女などなど、もうサーカス状態。ヒロインも、情緒不安定で突飛な行動をするがなかなか魅力的だった。

ストーリーの方はコメディのテイストを保ちつつ、石油強盗を企んだり、騙されたり、憧れの女性を追いかけたり、政略結婚させられたり、とドタバタ。そのなかで死人が出たりでなかったりするが、その死体すらも余すことなく利用し、どこか抜けたよな、重力に逆らった浮遊感のあるコメディに仕上がっていて心が軽くなる。なんとなくアメリや森見登美彦の世界観を感じるポップでキュートな喜劇(HAPPY END)でした。

お気に入りのシーンは、ロシアの船に騙されて油でなくただの水を買わされたところ。
ザーレが騙されたと言って父マトゥコに2つの瓶を持ってくる。比べれば分かるとマトゥコがやにわに片方の中身を口に含み、吟味してごっくん。あーやっぱ水買わされたんかな思たら、「うん、いい軽油だ」え?軽油なん。もう一方を口にすると、飛沫をあげて吐き出す。「水じゃねぇか!」いやそっちが水かい!リアクション逆やろ逆ぅ!ここでハマりました。